ひだまりたんぽぽ

先天性代謝異常症のこどもを守る会

先天性代謝異常症とは

先天性代謝異常症は

体内で酵素がうまく働かないことが原因で

体調に不具合をきたす病気の総称です

 

 食べ物に含まれている栄養素はからだの中で消化・吸収され、筋肉や臓器を構成する成分になったり、必要なエネルギーとして使われたりした後、不要になったものは排泄されます。体の中で起こるこのような一連の化学変化を「代謝」と呼びます。

代謝の仕組み/食べ物がエネルギーになる

 

 この代謝をスムーズに進めるために酵素輸送体というたんぱく質が働いています。酵素は、体の中に何千種類も知られています。また輸送体は必要な栄養素を細胞の中に取り込み、不要なものを細胞外に出す働きをしています。

 

正常な酵素による代謝のイメージ(図:ひだまりたんぽぽ作成)

 

 先天性代謝異常症とは、生まれつき酵素や輸送体が正常に働かず「代謝」の流れがせき止められることで、異常なものが身体に溜まったり、必要なものが欠乏したりする結果、様々な症状を起こす病気です。その代謝過程に障害を受ける栄養素(有機酸、脂肪酸、アミノ酸、糖など)によって、有機酸代謝異常症脂肪酸代謝異常症アミノ酸代謝異常症糖代謝異常症などと分類されています。

 

酵素に異常があった場合の代謝イメージ(図:ひだまりたんぽぽ作成)

 

 ● なぜこの病気になるのですか

 有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症は遺伝子の異常により起こる病気です。

 ヒトが持っている遺伝情報(遺伝子)は染色体の上に乗っています。染色体は2本で一組になっており、子どもは父母からそれぞれ1本ずつ染色体を受け継ぎます。ヒトには2〜3万種類の遺伝子がありますが、誰でも5〜10個の遺伝子に『書き誤り』を持っているといわれています。しかし他方の遺伝子は正常ですので、通常は症状が出ません。このような状態を「保因者」と呼びます。

 両親が偶然にも同じ遺伝子に『書き誤り』を持つ保因者で、子どもが二つともに『書き誤り』を持つ遺伝子を受け継いだときに患者となります。このような遺伝形式を常染色体劣性遺伝とよび、両親が保因者のとき4人に1人の確率で患児が生まれることになります。

 有機酸代謝異常症の両親は二つある有機酸を代謝する遺伝子の一方に『書き誤り』をもつ保因者です。稀に親に『書き誤り』の見つからない突然変異で起こることもあります。

 

常染色体劣性遺伝説明図(図:ひだまりたんぽぽ作成)

 

 ● 人類は全員、何らかの遺伝病の保因者です

 染色体には、体の部品を作る設計図(遺伝子)が 2万以上も書き込まれています。人は誰もが必ず 5~10の遺伝子に『書き誤り』をもっており、人類は全員、何らかの遺伝病の保因者と考えられています。

 保因者自身は病気にならないので、そのことに気づかないだけです。遺伝病は決して珍しいものではなく、身近な病気と言うことができます。

 

有機酸代謝異常症とは?

脂肪酸代謝異常症とは?

 

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